令和6年度版
初めての発行から10年目。
まだまだ広がり続ける奈良のかき氷のおいしさと創造力
「奈良かき氷ガイド」は、奈良でかき氷を提供するお店を紹介する無料のガイドブックです。2015 年に「奈良かき氷MAP」として誕生し、以降毎年発行を続け、かき氷ファンの増加と共に、掲載店舗もどんどん増え、2024年で10年目を迎えました。
今年も、51軒のお店からオリジナリティや創意工夫にあふれた楽しいかき氷が集まりました。ページをめくるたびに、それぞれの個性やこだわりが詰まった一杯が登場!
「奈良かき氷ガイド」をお供に、奈良とかき氷をたっぷりお楽しみください。
「令和6年度版 奈良かき氷ガイド」は、氷室神社および掲載店舗で配布中!(なくなり次第終了)
「奈良かき氷ガイド」へのお問合せ
<奈良かき氷ガイド製作委員会> kakigori.guide@gmail.com
※「奈良かき氷ガイド」(冊子・ホームページ)に掲載の情報は2024年3月現在のものです。情報は変更になることがあります。詳細は各店舗のホームページやSNSをご参照ください。
各店舗をタップすると該当ページのPDFファイルを閲覧できます。
古来、真冬につくった氷を夏まで貯蔵しておく場所のことを「氷室(ひむろ)」と呼びました。冷暗な山陰に穴を掘り、茅などでその上をしっかり覆って温度をできるだけ低く保つことで、季節を越えて氷を長期間保存できるように工夫されていました。そうして大切に貯蔵した氷は、暖かい季節がやってきてもなお残り、天皇をはじめとする皇族や高位の人々が涼を取って楽しんだと言われています。
また、古代の日本では、正月の氷の張り方や厚さから、その年の農作物が豊作かどうかを占っていたとも言われています。自然現象を敬い、何かの兆しを見出そうとする日本人らしい、氷を用いた農耕文化の一端と言えるでしょう。氷は、人々と自然や神様をつなぐ存在でもあったのです。
奈良には、氷室の守り神として氷室の周辺に社を立て、神様を祀ったのがはじまりとされるふたつの「氷室神社」が鎮座します。美味しいかき氷に出会えることへの感謝を氷の守り神様にお伝えしてからいただくかき氷は、さらに特別なものになるでしょう。
奈良の中心地から山間部を抜けて車で40分ほど、天理市福住にある氷室神社の起源となる氷室の歴史は、1400年前まで遡ります。日本書紀によると、仁徳天皇の時代(3世紀ごろ)に額田大中彦皇子がこの地に狩猟に訪れた際に氷室を発見し、以後、都祁の氷室から都へ氷を献上したことから、この地に氷室の神を祀ったのがこちらの氷室神社のはじまりとされています。森に囲まれ、夏でもひんやりした静謐な空気には、まさに「氷の守り神」のいらっしゃる場所であることが感じられ、奈良の古社の趣が伝わってきます。
和銅3年(710年)、元明天皇の勅命により、現在の奈良公園内を流れる吉城川沿いにあった氷池で作った氷を、そばに作った氷室に保存していました。その守り神として祀られたのがこちらの氷室神社の起源です。
毎年5月1日の「献氷祭」では、神前に鯛と鯉の大型氷柱の奉献や、神社伝来の舞楽の奉納などが執り行われます。毎月1日には氷献灯も行われ、日没後の夕闇に、氷をくり抜いた灯籠に灯されたろうそくの光が、境内を幻想的に照らします。おみくじを氷につけると文字が浮かび上がる「氷みくじ」も人気。
奈良市春日野町1-4
昭和63年(1988年)、奈良時代の長屋王宅跡の発掘調査でたくさんの木簡が出土した際、「都祁氷室」という記述がある木簡も発見され、都祁の地から長屋王家へ夏に氷を進上していたことが明らかになりました。その後、考証を経て氷室の構造や機能を再現し、昔の人々が氷を保存していた方法や技術を復元したのがこの「復元氷室」です。
例年、2月の建国記念日に氷を収め、7月の第 3月曜日に催される「福住氷まつり」で、多くの人々がどれだけの氷が残っているかを見守る中、取り出されます。今年も、3トンの氷が運び入れられました。木々に囲まれ、しんと静まる復元氷室の前に足を運べば、いにしえの人々の知恵や暮らしが感じられます。
天理市福住町1841
「令和6年度版 奈良かき氷ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます!
「奈良かき氷ガイド」は、奈良でかき氷を提供するお店を紹介する無料のガイドブックです。2015年に「奈良かき氷MAP」として発行したのが最初でした。当時は、A3を半分に折った形の簡易なものでした。
以降毎年発行を続け、かき氷ファンの増加と共に、掲載店舗もどんどん増え、現在の冊子の形になり、2024 年で10年目を迎えます。
かき氷といえば、夏の食べ物というイメージが強いかもしれませんが、近年では、少々肌寒いような日でもかき氷を目当てにお店に足を運ぶファンが増えてきました。
また、奈良には古来の人々の知恵が詰まった氷室跡や、氷にまつわる祭祀を司った氷室神社が今も残っています。氷が歴史や文化の中で深い意味を持ち、神聖なものとして人々の信仰の対象でもあった奈良の地で口にするかき氷は、ちょっと特別かもしれません。
透明の氷が削られて生まれる真っ白なキャンバスに、何を合わせ、加え、形づくるか。それぞれのお店や作り手の個性とこだわりが詰まった一杯に、ページをめくるたびに出会えます。
かき氷で奈良を盛り上げたい!という仲間が集い、氷室神社様にもご賛同とご協力をいただき、発行を10年続けてくることができました。
「奈良かき氷ガイド」を支えるのは、かき氷の魅力をもっと広めたいという思い、そして、かき氷をきっかけにもっとたくさんの人に奈良に足を運んでもらい、奈良のことを好きになってほしいという地域への愛着です。
「奈良かき氷ガイド」をお供に、奈良とかき氷をたっぷりお楽しみください。
奈良かき氷ガイド製作委員会